猫は「飼い猫」であっても「野良猫」であっても動物愛護管理法という法律の中で守られている愛護動物です。
少しでも猫によるトラブルを減らす為には人の愛情と責任、また、知恵や工夫が必要です。猫のいない街はありませんが、猫と上手く共生している街はいくつもあります。こちらのQ&Aでは、出来るだけ人と猫とが穏やかに暮していけますよう、実例をまじえてまとめました。
猫が入れないように網やネットなどで進入路を塞いだり、市販の猫用忌避剤・木酢液・重曹などを散布したり、撒いてみてはいかがでしょう?市販の忌避剤は2種類を用意して、交互に撒くと効果的です。
木酢液は焚き火をした時の煙のような匂いがします。この匂いを苦手とする生き物が多いようで、害虫が寄ってこなくなったり、猫よけにも効果があると言われています。
重曹はスーパーや量販店など、どこでも手に入りますし匂い取りに効果的で、草木にも猫にも安心して使えます。粒の大きさは色々なタイプが販売されておりますが、細かいタイプの重曹を土の上に振りかけて少し混ぜて下さい。
また、レモングラスやローズマリー、ヘンルーダ(コモンルー・ルーなど呼び方は何種類かありますが同じ植物です)など、香の強いハーブ類を植えてみてはいかがでしょう。ヘンルーダは独特の強い香と殺菌作用、耐寒性もある比較的丈夫なハーブです。オーストラリアでは猫が嫌がる植物として有名です。猫の侵入を防ぎたい場所に植えこんだり、置いたりします。猫の習性として柑橘系の匂いを嫌います。
他には猫よけの為の超音波機器、ガーデンバリアなどが各メーカーから販売されています。
人と猫との共生を考える上で猫が地域で起こすトラブルの上位に、このふん尿被害があります。猫の行動範囲として一般的には野良猫の場合で半径500m前後、飼い猫が迷子になると半径50~200m前後と言われています。猫はそのエリア内で、食事、トイレ、仲間の猫との社交、寝床などを決めて人目につきにくい場所に棲み、行動します。空き地や土の部分が少なくなっている現代は、猫には公衆トイレがありませんので、どうしても土の残っている民家のお庭や公園、街路樹のまわりが猫のトイレとなってしまいがちです。
ふん尿被害の対策を考える時、猫に迷惑をかけられた人はだれでも「猫がいなくなればいい」とお考えになるでしょう。「捕まえて処分してしまえ」という人もいるかも知れません。しかし、猫の増える原因を解決せずに、猫だけを排除しても時間が経てばまた元の状態に戻ってしまいます。
猫のふん尿被害は誰にとっても困る事です。このふん尿被害などを地域の方々やボランティアが解決していこうと取り組んでいる活動もありますが、どのような形でも時間はかかります。簡単な方法はありませんし、一部の人だけが負担するものでもありません。
猫はふわふわの土や砂が大好きな習性をうまく利用し、ふん尿被害に悩まれている場所、お庭や畑の隅っこに猫用プランタートイレを設置したり、お庭先でよくトイレをしてしまう場所の一角だけ、土を掘り起こして「トイレをしても良い場所」を設けて下さると、猫はそこで用を足します。毎日フンを拾ったり、土や砂をふわふわにする少々の手間はかかりますが、猫がどこでも構わず用を足してしまうという事は少なくなり、人と猫とが歩み寄ってふん尿被害の問題を解決するという一歩につながります。それは、とても大きな一歩です。
逆に猫が簡単に掘り起こせないよう、小石やタイルなどを敷く対策をして猫に「ここは掘り起こせない、トイレには使えない」と学習させる事もふん尿対策として有効な方法です。
まず、その仔猫の状態を観察し、そばに母猫がいるのであれば、しばらくはそっとしておいてあげて下さい。仔猫にとって母猫の「初乳」そして「母乳」は非常に大切です。出来れば母体が栄養失調にならないよう、「授乳期用」のキャットフードを与え段ボール箱などに柔らかい布などを敷き、人目につかない、雨風のあたらない、寒くない場所に置いてあげて下さい。母猫が仔猫をその中で育児する場合もあります。母猫は出産後、少なくとも1ヶ月を経過してから、出来れば母体の回復も落ち着く2ヶ月くらいのタイミングでの避妊手術をおすすめします。避妊手術をしても、仔猫への授乳は可能です。(おっぱいが出ます)仔猫は離乳が終わり、生後4ヶ月〜6ヶ月くらい経てば避妊・去勢手術が可能です。仔猫も最初の発情期の前に避妊・去勢手術をした方が体へのリスクも少なくて済みます。どうぶつ病院のご紹介について、また、避妊・去勢手術の為の捕獲・搬送でお困りでしたらボランティアがお手伝いさせていただきます。
仔猫がお母さん猫とはぐれて1匹でにゃーにゃー鳴いていたら、どうか見捨てずに立ち止まってあげて頂きたいです。仔猫は自分で体温調整をする事ができません。もしかしたら栄養失調や低体温症になって命の危機にさらされているかもしれません。仔猫の体が冷えないよう、段ボールなどに肌触りの柔らかい布を敷いて保護してあげて下さい。ご自身で飼えない場合は「新しい飼い主さん」を捜してあげて下さい。ボランティアも新しい飼い主さんが見つかるまでの、仔猫の育て方のご相談や、ポスター作り、ポスターの掲示など、お手伝いさせていただきます。(申し訳ありませんが当会では猫の引き取りを行っておりません。)
メス猫は平均10ヶ月で性成熟に達しますが、最初の発情は早い子では4ヶ月で訪れる事もありますし、遅い子だと12ヶ月くらいの猫もいます。猫種によっても異なります。猫の発情は犬のように年2回と決まっておらず、日照時間が発情周期をコントロールしていると言われています。春になり、日照時間が長くなると発情が誘発され、日照時間が短くなると終結すると言われています。年平均、2.2回の出産が可能で平均発情周期は14日〜21日です。猫の妊娠期間は60日〜69日と幅があり、最も多いのは63日〜65日の間と言われています。
飼い主のいない猫にエサだけを与え、避妊・去勢手術を誰もしなければ地域は猫であふれることになります。「増やさないことも愛情」とし「優しいお気持ちでのエサやり」という行動が、結果的には周辺住民へご迷惑をおかけし、なおかつ、不幸な猫たちを増やすという「二重の負」の形ではなく、避妊・去勢手術をして、エサを与えるという「野良猫対策に結びつく」愛情と責任を持った形にして下さいますよう、是非ともよろしくお願いいたします。
定期的にエサを与え、飼い主のいない猫と保護主さんとの信頼関係を築いて下さい。猫と保護主さんの間で信関係を築くことが出来れば、抱っこして洗濯ネットなどに入れたままキャリーケースで優しく搬送することも可能です。避妊・去勢手術を実施する日程調整をどうぶつ病院とすることも可能になります。術後も、保護主さんの元へ戻った際、その後の餌やりがしやすくなります。警戒心が強く、定期的にエサを与えてもなかなか慣れない場合は捕獲器を利用することも一つの方法です。当会では捕獲器の貸出を行っていますので「お問い合わせ」よりご連絡ください。捕獲器でも、安全にどうぶつ病院まで搬送する事が可能です。
避妊・去勢手術は終わっていますか?もし、未だのようでしたら是非とも、避妊・去勢手術と、手術済みの目印としてどうぶつ病院で「耳先カット」をお願いして下さい。(オス猫は「右耳」メス猫は「左耳」です)その後は引き続きの餌やりを、どうぞお願いいたします。ご近所の方には、野良猫が増えないよう、避妊、去勢手術が済んだ旨と一代限りの命になった野良猫を、餌やりをしながら見守る旨を出来るだけ告知して下さい。その際、ふん尿対策もお忘れなくお願いいたします。
逆を言えば、手術もしない、ふん尿対策もしない、エサだけは与えるという事でしたら、ご近所に叱られても仕方ありません。短絡的なご自分の優しいお気持ちの解放で餌やりをする事は、結果的にはご自身が野良猫を増やすだけ増やし、追い詰めてしまうということをどうぞご理解下さい。
「動物虐待」とは、「動物の心身に肉体的な苦痛・精神的な苦痛・多大なストレス等を与える事」です。動物の虐待には2つのタイプがあります。
※ 動物の虐待は犯罪です。
「動物の遺棄」とは
動物の飼い主の責任には、動物を正しく飼い、愛情を持って扱うことだけでなく、最後まできちんと飼うことも含められています。飼えないからと動物を捨てることは、動物を危険にさらし、飢えや乾きなどの苦痛を与えるばかりでなく、近隣住民にも多大な迷惑になります。
動物の遺棄は犯罪です。
動物の遺棄・虐待は見かけたらすぐに秦野警察署(TEL83-0110)又は最寄りの交番に連絡してください。
何の苦労もなく、エサに混ぜれば嫌がる事なく普通に薬を飲んでくれる猫もおりますが、錠剤の薬ならば最後まで上手にかわしながらフードは食べて、気がつけばフード皿には薬だけがポツンと残っている事も多いです。抱っこが出来る猫ならば、頭をしっかり押さえて、猫の犬歯と口角のすき間にご自身の指を入れると猫は自然に口を開けますので、ポイッと薬を猫の口に入れ、その後、ほんの少しのウェットフードや、お水を少量飲ませ、喉をさすってあげながらゴクンというのを確認する方法が1番かと思います。
なかなかそうは簡単に飲んでくれない場合は、錠剤をすり鉢などで砕いてフードに混ぜる、液体薬ならシリンジで与える、など工夫しながら飲ませている飼い主さんがほとんどです。
「最初のひと口」で飲ませる事が出来れば大成功です。ウエットフードに混ぜる場合「フードの山の1番上から一口目を食べる」猫が多いのでフードを山型に盛り、先端に薬を忍び込ませると「最初の一口目」でうまく飲ませる事が出来たりします。
大切な事は猫が「嫌いな」な薬を飲んだら「褒める」事です。ネット環境がある方は「猫 薬 飲ませ方」などで検索してみて下さい。動画も含め、全国の飼い主さんの工夫やコツが参考になります。早く治ってほしいですものね。がんばりましょう。お大事にして下さい。