飼い猫が突然いなくなったり、脱走してしまった場合、少しでもお役に立てますよう捜索方法の例をご紹介いたします。
飼い猫がいなくなってしまった時ほど生きた心地がしない事はありません。
まずはご自身が落ち着きましょう。たいていは1日〜3日で見つかる事が多いようです。猫もお腹を空かせながら見慣れない風景に迷い、それでも必ず「帰ろう」としています。
ただ、その間に車やバイクや自転車に怖い思いをして逃げたり、人に追い払われたりすると、どんどん家から遠ざかってしまう恐れもあります。
最初の3日間は捜索の合間に「やっておくべきこと」があります。
飼い猫が脱走した時の関係各所連絡先リスト
完全屋内飼いの「内猫」の場合は一旦外に出てしまったら、「何がなんだか訳も分からず」どこか自分の身を隠せる場所にじっとしている事が多いようです。猫の道も分かりません。縄張りもありません。家と外を出入り自由な猫ならば「帰り方」も「帰る道」も分かっているはずですが、怪我をして動けなくなっているかもしれません。どちらにしても、猫にとっての一大事です。
そっと、静かに家の周囲を捜しましょう。よく耳をすまして、小さな声でいつも呼んでいるように優しく「〇〇ちゃん」と呼んでは止まり、しばらく待ち、必ず振り返って下さい。猫があなたを追って後ろにいるかもしれません。いなければまた進み、家の周りと家から半径10m〜50mを徹底的に捜して下さい。
ご自宅の屋根やご近所の屋根、または木の上に潜んでいる事もあります。捜す時には「上を見て下を見て耳をすまして」です。
交通量や人通りの落ち着いた深夜になって戻って来る猫もいます。
どうか諦めずに捜索を繰り返して下さい。
猫の習性として「薄明薄暮性」という言葉があります。明け方や夕方になると活動的になるという意味です。その時間帯も1つの狙い目です。
いなくなった猫の鳴き声が聞こえたり、発見したら慌てて駆け寄らず、ゆったりしゃがんで「おいで」と猫の名前を呼んでみて下さい。猫にも飼い主の慌てた雰囲気が伝わります。慎重に静かに猫との距離を縮めて下さい。
ご自身の足元にいつもの餌をフード皿に入れ、猫の警戒心を解くために静かに待つと、猫のほうから近寄ってくる事があります。好きな猫じゃらしなどでおびき寄せるのも有効です。とにかくご自身の限りなく近くに猫が来るようにして下さい。
ご自身の近くに猫を寄せる事が出来ましたら、いよいよ猫と家に帰る準備です。「もう絶対逃がさない!」と心に決め、猫に悟られないよう、そっと猫の入る大きさの洗濯用ネットをご用意下さい。(洗濯用ネットの口を開けたままポケットなどに丸めて入れておくと便利です)。猫の様子を見ながらご自身の体の向きを調整し「頭側から保護するか」「後ろ側から保護するか」を判断して下さい。
判断したら、迷わず「一気に洗濯用ネットに入れる」です。猫が前に進んで逃げてしまわないよう、頭側から洗濯用ネットをかぶせて保護したほうが猫は後戻りが苦手なので成功しやすいかもしれません。ペット用キャリーバッグにいきなりいれるのは難しいと思います。「洗濯用ネットに入った猫ごと」ペット用キャリーバッグに入れた方がご自身と猫の為に安全だと思います。「抱っこ」はあまりお勧めしません。猫も突然の事に興奮し怯えているのでご自身も怪我をしたり、せっかく見つかった猫が暴れて再度逃げ出してしまう可能性があります。無事に保護が出来ましたら、必ずケガや病気がないか確認して下さい。ご自身で判断せず、どうぶつ病院で一度診察をお勧めします。
脱走した原因を突き止め、大切な猫を二度と離さないようにお願いいたします。
また、オス猫の場合、発情期はメス猫を見つける為に脱走するケースもあります。避妊・去勢手術をする事は脱走を未然に防止することにもつながります。
【重要】もし猫が見つかりましたら必ず関係各所全てに見つかった旨のお礼のご連絡をお願いします。
猫が脱走して帰って来るまで1週間の場合もありますし、1ヶ月、3ヶ月といった例もあります。飼い主さんが2週間、連日連夜、捜索を続け、無事に戻った猫や、飼い主さんが必死になって捜しても見つからず、心が潰れそうになった時、後ろ足を骨折し、やせ衰えながらも何とか自力で飼い主さんの元へ戻ったという猫もおります。
猫には「帰巣本能」が備わっています。帰って来ないからといって、簡単に諦めず、捜す気力と体力をキープして下さい。