地域猫とは

一代限りの命を地域で世話をしながら見守る猫のこと

「地域猫」という言葉はまだまだ秦野市でも十分に認識されておりません。
「地域猫」というのは、もともとは野良猫だった猫たちを地域住民の方々が協力しあって、避妊・去勢手術を行い、手術の後はエサと新鮮な水を毎日与え、猫用トイレなどを設置してふん尿対策をしながら、野良猫を排除するのではなく、一代限りの命になった猫たちを地域住民の方々が容認し、世話をしながら見守る猫のことです。

地域住民の方々にご理解を得て容認していただき、ご協力を得る事が出来ましたら、その段階で初めて「地域猫」と呼ぶことが出来ます。手術を終えた猫は目印として、どうぶつ病院で耳先カットを施していただいています。

飼い猫の寿命が15年以上であることに対し、屋外での厳しい環境の中で懸命に生きる猫たちの寿命は3年〜5年とも言われています。この短い命をやさしく見守り、地域の方々と飼い主のいない猫たちが穏やかに共生し、これ以上は猫を増やさない取り組みの事を「地域猫活動」といいます。

TNRは地域猫活動の基礎

TNRとは飼い主のいない猫を「捕獲し」「避妊・去勢手術をして」「元の場所に戻す」という活動です。

T=Trap(トラップ)捕獲し
N=Neuter(ニューター)避妊・去勢手術をして
R=Return(リターン)元の場所に戻す

このTNRが地域猫活動の「基礎」となります。

避妊・去勢手術を終えた猫は、これ以上仔猫を生み増やさなくなります。
また発情や出産のストレスから解放され、ケンカも少なくなり、感染症の予防にもつながります。猫たちは避妊・去勢手術を終えた目印として耳先を少しだけカットしています。
耳先をカットするのはかわいそうに思われるかもしれませんが、人から「愛され管理されている」野良猫ではない目印なのです。
この目印により、猫たちはもう二度と捕獲されることはありません。

地域猫活動の必要性

世の中には猫が好きな人も、嫌いな人も、無関心な人もいます。

野良猫を苦手と感じる人

・家の敷地内にフンやオシッコをされる
・敷地内で仔猫を産んでしまった
・さかりやケンカの鳴き声がうるさい
・丹精込めて育てた花壇や家庭菜園、畑などを荒らされる
・車の上や下にいて危険
・餌をあげる人のマナーが悪い

だから野良猫はいない方がいい

野良猫を助けたいと感じる人

・お腹をすかしているのでご飯をあげたい
・野良猫が仔猫を産んでしまったので助けたい
・具合の悪い猫、ケガをした猫を助けたい
・屋外の厳しい環境で暮らすのはかわいそう
・住宅事情で猫を飼えないが野良猫を助けたい
・避妊・去勢手術をしてあげたいけれど捕まらない

かわいそうな野良猫はいない方がいい

つまり、どちらの人も思っているのは「野良猫はいないほうがいい」ということなのです。

野良猫をTNRして地域猫へ!

秦野市にお住まいの方の中には、野良猫を増やさないよう、ご自身のお金で避妊・去勢手術をし、エサ代も自費でまかないながら、その猫たちをやさしく見守り、個人で1匹〜複数匹のTNRした猫たちを飼養管理されている方々もいらっしゃいます。

しかしながら、個人で日々、365日、数年間に渡り適切な飼養管理を実行することは、匹数、資金、時間、労力に限りがあります。
TNR活動のみにとどまらず、地域猫活動を目指す目的はそこにあります。地域ぐるみでの取り組みによる力の大きさは野良猫が減っていくスピードと比例します。

野良猫の捕獲
避妊・去勢手術
猫の飼養管理個人でのTNR活動
個人でTNRした猫

個人で野良猫を捕獲(又はボランティアが協力)

個人負担で避妊・去勢手術を実施

元の場所に戻し餌および衛生管理費は個人負担

飼養管理できる猫の匹数にも限界がありなかなか野良猫が減らない

目指すもの

住民主体の地域猫活動
地域住民の合意形成のもと飼養管理されている地域猫

住民の方々の協力により野良猫を捕獲(又はボランティアが協力)

住民の方々が協力しあい避妊・去勢手術を実施

住民の方々の合意形成のもと適切な飼養管理を地域ぐるみでする

住民の方々が主体性を持つことによりゆるやかに野良猫を減らすことが出来る

尚、TNRをし地域猫活動を行っている地域からは、ゆるやかに「地域猫」がいなくなり、きちんと飼い主さんに飼われている「幸せな飼い猫」だけになっていけますよう、それまで愛情を注ぎ一緒に暮していた大切な飼い猫は絶対に捨てないで下さい。また、飼い主のいない猫には、愛情と責任をもち終生飼養をして下さる新しく飼い主さんを捜すことも大切です。

ボランティア活動だけでは成立しないこの取り組みには是非とも地域住民の方々のご理解とご協力をいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

飼い主のいない猫を避妊・去勢手術実施するまでの手順と
手術後のケアについて

避妊・去勢手術するまでの手順

(1)猫の餌付け

飼い主のいない猫が保護主に慣れて保護しやすくなるように餌付けをする。

(2)猫の保護等

手術のために保護する猫が「飼い猫」ではないことを確認し、実際に保護をする。餌付けにより保護主に慣れてきたら、この段階でどうぶつ病院へ連絡をし、手術の日程を予約する。

※どうぶつ病院には飼い主様のいる動物たちが「重篤な症状」で来院している場合のあることにもご配慮下さい。

(3)どうぶつ病院へ搬送

「飼い主のいない猫」をどうぶつ病院へ搬送する。
ペット用キャリーケースで搬送する(暴れないように洗濯用ネット等に入れてからペット用キャリーケースに入れ、万が一、粗相などした時の為にペットシートを用意すると安心です)または捕獲器で搬送する。

(4)避妊・去勢手術の実施

「飼い主のいない猫」に対し避妊・去勢手術を行う。その際、手術済みの目印として耳先カットを獣医師の先生にお願いする。
また、任意でではありますが「駆虫」「血液検査」「ウィルス検査」「ワクチン接種」等も出来ればする。
※万が一感染症にかかっている猫を外に出してしまいますと、他の猫にも感染する可能性が高まってしまいます。
緊急を要する猫の場合
例えば妊娠中の猫、ケガをしている猫、あきらかに病気の猫などは保護した段階でどうぶつ病院に相談し搬送する。

手術後のケアについて

手術後の体のケア

手術後、特に1週間ほどは猫の体に出来るだけ負担のかからないよう、注意しながら体調管理をしてあげてください。
手術後の「飼い主のいない猫」への給餌、給水、後片付け等は時間を決め、適切な場所で世話をしてあげてください。※ 詳しくは餌やりルールのページをご覧ください

新しい飼い主さんになって下さる方を捜す

仔猫、大人の猫に関わらず、出来るだけ「新しい飼い主さん」を捜してあげてください。
猫にとっては毎日のごはんをもらえ、新鮮なお水も飲めて、家の中に自分の寝床があり、あたたかな愛情をもって接してくださる人の側で暮らす事が何よりの幸せです。どうぞよろしくお願いいたします。